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最高裁判所第一小法廷 昭和55年(行ツ)26号 判決

上告人 市村栄一

被上告人 芝税務署長

訴訟代理人 岩田栄一

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人岩田豊の上告理由について

原審の適法に確定した事実関係のもとにおいては、本件の償却費相当額は賃借人らに貸室を引き渡し保証金の預託を受けた時点において収入すべき権利が確定しこれを右預託を受けた時の属する年の不動産所得の計算上収入すべき金額に算入すべきものと解すべきであり、上告人の主張する事由は、いずれも右解釈を左右するに足るものとは認められない。これと結論において同趣旨の原審の判断は、正当として是認することができ、原判決に所論の違法はない。所論は、これと異なる見解に立つて原判決を論難するものであつて採用することができず、原判決に所論の違法があることを前提とする所論違憲の主張も、その前提を欠く。

よつて、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

(裁判官 本山亨 団藤重光 藤崎萬里 中村治朗 谷口正孝)

上告理由〈省略〉

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